はじめに |
Gmailは自分で連絡先(アドレス帳)に追加しなくても、メールを送れば、新しい宛先がどんどん連絡先に登録されていきます。
そのためメールソフトのアドレス帳はみるみる古くなり、Gmailの連絡先とかけ離れていきます。複数のPCで使用している場合は特にそうなるでしょう。
これを自動的に同期させる唯一のソフト「GCALDaemon」の使い方を解説する事にしました。
Javaソフトなので、Windows、Mac、Unix、とマルチに動作します。
厳密にはメールソフトのアドレス帳と直接同期するのではなく、GCALDaemon(LDAPサーバー)が自動的にGmailと同期し更新され(SSL)、そのデータをメールソフトから参照するというもの。
そのため、オフラインになっても、Gmailの連絡先を(キャッシュから)参照できます。
GCALDaemonは高機能ながらも、設定が複雑でマニアックですが、真似ればなんとかなります。
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1.GCALDaemonのインストール |
(1) まずはJavaランタイム(ver1.5以上)をインストール(100MB以上必要)
→ Javaランタイムはこちら
(2) GCALDaemonをインストール(以下はWindowsXPでの図解です)→Macはこちら参照
→ ダウンロードはこちら
SourceForgeのダウンロード画面になり、自動的にダウンロード画面が出るので「実行」。
その後、発行元を確認できないセキュリティ警告が出ますが、そのまま実行します。
次へ次へと「Next」をクリックし、インストール完了へ。
(3) Config Editorが起動すればインストール成功です
自動的に起動しない場合は、スタートメニューから起動して下さい。このEditorは使いません。
(4) Program Filesのパスを修正します。
GCALDaemonのインストール先(C:\Program Files\GCALDaemon)を開き、以下の3つの
ファイルをメモ帳で開き「C:/Progra~1/」を「C:/Program Files/」に修正し上書き保存します。
binフォルダ内の、「standalone-start.bat」
binフォルダ内の、「sync-now.bat」
confフォルダ内の、「nt-service.cfg」
こちらに修正の様子が書いてあるので参考まで。
Windows VistaではAdministratorでログインするか、個々のファイルのプロパティを開いて、セキュリティ設定でUsers権限でのフルコントロールを許可してから上書き保存します(セキュリティ設定は後で戻します)。以下の設定ファイルでも同様に。
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2.GCALDaemonのLDAPサーバーを設定する |
(1) Password Encoder でGmailのパスワードを変換しておきます。
スタートメニューで、Password Encoder を起動。
Gmailのパスワードを入力し、変換した値をコピーもしくはメモしておきます。
(2)設定の要 「gcal-daemon.cfg」ファイルを設定します
まずはスタートメニューからConfigrationのSystem(gcal-daemon.cfg)を開きます。
開いたファイルの「CONFIGURATION OF THE GMAIL CONTACT CONVERTER」という項目
を以下のように設定し上書き保存します。
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# CONFIGURATION OF THE GMAIL CONTACT CONVERTER #
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# Enable LDAP server
ldap.enabled=true ←LDAPサーバーを有効化
# Port of the LDAP server (default is '9080')
ldap.port=9080
# Gmail user (your full email address)
ldap.google.username=your_address@gmail.com ←自分のGmailアドレスに
# Gmail password (use password encoder!)
ldap.google.password=307$$AZy92dzNXYw1CdzVGd ←先ほど変換したパスワード
# Contact list timeout in the local cache (recommended is '1 hour')
ldap.cache.timeout=1 hour ←キャッシュの保存時間(オフラインで使える時間)
# vCard encoding ('quoted', 'native' or 'utf-8', default is 'quoted')
ldap.vcard.encoding=native ←nativeでvCard(workフォルダ内)が文字化けなし
# vCard version ('2.1', '3.0', default is '3.0')
ldap.vcard.version=2.1
# List of allowed hostnames (eg. '*.mydomain.com,localhost,userpc.domain.*'
or '*')
ldap.allowed.hostnames=localhost ←セキュリティが高まります
# List of allowed IP addresses (eg. '*.23.45.5,127.0.0.1,211.32.*' or '*')
ldap.allowed.addresses=* |
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3.GCALDaemonの起動 |
以下のように起動すれば、それ以降は、PC起動時に自動的に起動します
(1) GCALDaemonサービスをインストールします
スタートメニューからたどり、Serviceからさービスをインストールします。
※Windows Vistaでは、wrapper.exe(C:\Program Files\GCALDaemon\bin\wrapper.exe)ファイルのプロパティを開き、「互換性」タブ→「特権レベル」→「管理者としてこのプログラムを実行する」の項目にチェックを入れないとアクセスが拒否されます。Administratorでログインしてもアクセス拒否を回避できます。
(2) GCALDaemonを開始します
上記のスタートメニューの「Install」の下の「Start」から、サービスを開始します。
今後、設定を変更した場合などは、一度サービスを「Uninstall」し、再び起動しましょう。
なお、起動中は以下のように「コンピュータの管理」でサービスを見ると確認できます。
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4.メールソフトの設定 |
LDAPサーバー対応ソフトのみ利用できます。以下はGmailユーザが一目置くThunderbirdでの設定例を紹介しました。Outlook Expressユーザはこちら参照(英語)。
BeckyやLotusもLDAPに対応しています。
※Windows Vistaの場合、メールソフトによっては応答しない場合があります。
(1)Thunderbirdの「アドレス帳」をクリック
(2)ファイルの新規作成でLDAPディレクトリを選択
(3)名前は好みで、ホストは「localhost」、ポートは「9080」に設定。
(4)「Gmailの連絡先」というLDAPディレクトリが生成されます。
選択し「*」で宛先を検索すると、さっそくGmailの連絡先を全てリストアップ。
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5.メールの作成でGmailの連絡先を使用する |
(1)メール作成画面で「アドレス」を表示
(2)アドレス帳で「Gmailの連絡先」を選択して検索し、特定の宛先を追加できます。
なお、メールソフトのアドレス帳の内容をGmailに同期反映させる機能はありません。
アドレス帳はGmailにインポートして集約しておくと便利です。
また、GCALDaemonをインストールしたフォルダ内の「work」フォルダには、同期された連絡先が
キャッシュされています。
なおThunderbirdでは、メールソフト同士やローカルファイル、FTPやIMAPフォルダと同期する拡張
Addressbooks Synchronizerなどもあります(Gmailは経由しない)。参考まで。
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6.GCALDaemonのその他の機能 |
ここに主な特徴が図解されていますが、メインはGoogleカレンダーとローカルカレンダーの同期のために開発されました。RSS取り込み機能で、エントリーをカレンダーに表示させたりもできます。
Gmailに関しては、更に、スキンを選べる新着メールチェッカーや、宛先をファイル名にしたテキストファイルを指定フォルダに保存するとGmailで送信してくれる機能、Gmail宛にメールして、任意のコマンドを実行し結果をメールで知らせてくれる機能などもあります。
それぞれ、「gcal-daemon.cfg」ファイルの該当項目を設定して使います。
なお、カレンダーの同期についてはGoogleカレンダーの同期ソフト一覧も参考まで。 |