フローチャート 〜2段階の「すっきり」処理で全てを空にする〜 |
何はともあれ、まずはフローチャートをどうぞ。GmailはWebメールで。
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解説 |
あなたの受信トレイはスッキリしてますか?
ここでは、受信トレイをメールの保管場所ではなく、処理待ちトレイにし、済んだメールはアーカイブして空にする事に専念します。受信メール=タスク(仕事)という考えで、受信トレイをすっきりさせると、タスクも済むという発想。メールはアーカイブしても後から検索できます。達成感が目で見える上に仕事の流れもスムーズで余裕が生まれ、創造性を発揮しやすいのが特長です。
受信トレイは全タスクの受取窓口。仕事の入口は一箇所が基本。全てのメールやタスクはGmailに集約しましょう。
まず届いたメールに対して、その場で60秒で機械的に処理できるタスクはすぐ実行します。簡単な調べ物、読むだけの物、すぐ返せる返事など。後回しにすれば5分も10分もかかってしまう性質です。そして完了したらアーカイブして見えなくしましょう。キーボードショートカットを有効にしていると「y」キーだけで良いです。今後、これがすっきりボタンとして大活躍します。なお、ラベル付けしたい場合は、アーカイブ化の前にしましょう。後で探すのが面倒です。
次に、60秒で終わらないメールは、そのまま後回しするのではなく、処理内容に合わせて振分けを行います。ここで気にかけて欲しい事は、仕事の性質です。自分で進められる仕事と、情報や回答待ちのある一時保留となっている仕事とでは、仕事の流れという視点では全く性質が異なるものです。これらは分けて扱わないと他人に振り回されて無用にエネルギーを使います。そのため、他人待ちのタスクは「待ち」などのラベルを付けます。内容によっては他人に依頼してから「待ち」に。その際、相手に期限を要求しましょう。その日付以降は仕事の流れが自分の物になります。期限を設定して日付ラベルを臨時に作成して付けると忘れません。
ただ、日付管理に関してはGoogleカレンダーのリマインダメールを送るようにすると良いです。そうすると、自分に関係ない期間はその仕事を忘れられます。この後回しが意外にシンプルで長続きする秘訣なので活用しましょう。簡単なものはGmailリマインダー「あとで通知」 を使うと更に便利。
そして、自分でできるタスクのうち、次にすぐやるべき重要タスクにはスター「★」(sキー)を付けます。逆にどうでもいいものは「いつか」ラベルを付けましょう。
そしてそれぞれのタスクで、一括処理できるものは、一括処理用のラベルを付けます。例えば外出した時にまとめて処理できる内容は「外出時」ラベル、上司に相談に行くときに処理できる内容は「上司」ラベル、電話でまとめて解決したいものは「電話」ラベル、返信するものは「返信」、通勤時にする予定のものは「通勤時」、家でする事は「家で」などなど。特定日に始めるものは日付ラベルを付けるか、Googleカレンダーやあとで通知のリマインダを設定します。これは締め切りなど受身的なものではなく、自分自身とのアポイントを設定し、その仕事の開始日や時間の管理をカレンダーに任せます。ラベルは重複しても構いません。とにかく最初の振分けによって具体的な仕事の流れ(とっかかり)を構築します。
一見面倒そうですが、要は仕事の計画です。あれもこれもやらなきゃと思っていると頭の中は混乱し、ふとした拍子に仕事を”ロスト”したり二度手間などで効率が低下します。振分けをする事で、あれもこれもを安心して忘れられて、大事な仕事に集中できるようになります。自分の頭のメモリー容量を大きくして仕事の効率をアップさせるための作業。
何かメモしておきたい時は、転送メール(fキー)を書いて下書き保存すると良いでしょう。スレッド化されます。返信(rキー)の下書きの方がメール一覧で本文の一部が見えて便利ですが、誤って送信してしまう場合もあるため、転送下書きがオススメです。メモで次に行う行動をメモしておくと、心理的に仕事にとりかかりやすくなります。また書き込む事でその事を忘れて、他の優先順位の高い仕事に集中できます。忘れるためのメモ。自分宛チャット(Gmail2.0用はこちら)でチャット履歴をメモ用紙化する方法もあります。
なお、従来のようなラベル振分けもこの時点でしましょう。今まで通りフィルタ振分けを機能させても構いません。というより、検索用や保管用のラベル振分けはフィルタで完全自動化するくらいの方がGTDに集中できます。
以上の振分けが済んだら、すっきりボタン「y」でアーカイブします。
この作業をやっていくと受信トレイが空になってすっきりし、一つ目の達成感が得られます。何よりも雑然としていないためストレスも溜まりません。60秒というのは目安です。自分の好みで変えましょう。
なお、ラベルを付ける際は、並び順を揃えるために、ラベル名の頭にナンバーやアルファベット、「*」や「!」、「#」、「$」、「%」などの記号を使うと通常のラベルと区別できて便利です。
また、振分けは、特に自分で自分宛に送信したTODOメールなどは送る時点で内容が分かっているため、エイリアスアドレスとフィルタで自動化すると良いでしょう。
次に、実際に後回ししたタスクを処理していきます。今度は、受信トレイではなく、スターやラベルのトレイを空にさせる事に力を注ぎます。
まずはスターありトレイに移動し、優先順位を決めてタスクを処理します。そして完了したら、すっきりボタン「y」を押すと、スターが外れて見えなくなります。既にアーカイブ済みのため、検索か「全てのメールトレイ」からしかアクセスできません。こうしてスターのタスクを空にする事に専念します。なお、処理後に保管や検索用、「待ち」などのラベルを付けたい場合はすっきりボタンを使う前に付けましょう。
スターの後や仕事の合間に、シチュエーションに応じて、個々の一括処理ラベル内のタスクを実行し、すっきりボタン「y」で完了していきます。なお、すっきりボタン「y」はそのトレイ(スターやラベル)のラベルしか解除しないので、その前に他のラベル付けをしても問題ありません。(受信トレイにいる時は内部で「inbox」ラベルを外しているだけです=アーカイブ)。
「いつか」ラベルは、暇な時に処理します。
また、時々思いついた時に、自分宛にやるべき事(TODO)をメール(cキー)したり、ボイスメール(Googleトーク)を送信しておくと、全ての仕事の流れをGmail上で管理できます。一日の最後に翌日やるべきことを自分に送っておくのも良いでしょう。仕事はGmailに収集するようにします。
GTDの基本は予定を全て書き出す事。自分宛にやるべき事をメールした上で、入ってくるメール(タスク)と一緒に上記のシステムでたんたんと処理していきます。次々と書き出し、振分けによって仕事の流れを作っておくことで、頭の中を空っぽにし、集中しやすい環境を作ります。
なお、メールソフトでもアーカイブ用フォルダを作れば似た事が実践できます。ただしラベル(タグ)を使えるメールソフトでないと、重複振り分けできず、仕事を”ロスト”する可能性があります。
ラベル方式は従来の振分け方法とGTDを共存できるメリットがあります。
ラベルに対応したThunderbird 2 で GTD 風のメール整理をする例なども参考まで。
以上、Gmailをどれだけ仕事に生かせるかは微妙なところですが、普通のプライベートのメール処理でも便利な要素が多くあります。というより仕事とプライベートを分ける理由はありません。例えば「買い物」ラベルなんてあるといいかもしれません。買いたい物を携帯で送って振分けで置くと、当日物忘れで買い忘れという事も減るかもしれません。「新宿」ラベルなんていうのも、新宿行ったらこのお店に行くとか、グルメ情報をストックしておくのも良いでしょう。このような一括処理ラベルでやりたい事をストックしていくと、休日を無駄に過ごす事も無くなります。
外出先では携帯でも確認できます。
携帯では携帯メールの返信忘れをなくす裏技なども役に立ちます。
なおWebページをストックして通勤中などに見たい場合などは「これGmail!」の携帯化バージョンもオススメ。ただ、自動的ににゴミがたまらないようにするなどのハックも活用しましょう。
また最近はこのような優れたGTDツールが他にもあります。Remember The MilkをGmailに統合して使えるFirefox拡張が出ていて大人気です。Firefox拡張のGTDGmail(使い方例はこちら)やGMail-GTD Tickler、Folders4Gmailなどを使うのも良さそうです。
最近流行りのそうじ力の心得を持つとメールを整理する事の重要性が分かるかもしれません。
本家デビッドアレンがGmailでのGTDを紹介しており、ラベルやフィルタの設定の仕方が役立ちます。
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仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法(デビッド・アレン著,GTD提言) |
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則(デビットアレン,良翻訳) |
Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~(百式管理人 田口元 著,デジタル活用) |
奇跡の仕事術―自分の仕事をマネジメントする(カール・P. ワージー著,システム仕事術) |
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